現代の浄水施設でも採用される炭

竹炭の断面の無数の小さな孔(微細な管の集まり)は、自動車のマフラーのようにフィルターの役割をします。孔の内部表面積は、竹炭1グラム(手の指先ぐらいのかけら)あたり300平方メートル以上、タタミ200畳以上の広さがあり、竹炭の吸着力はこの内部表面積の広さよるものです。これは備長炭の数倍から10倍の吸着力があることを示しています。活性炭は、人工的にこの吸着力を高めたものですが、竹炭は孔の形状がハニカム構造をしておりその大きさも均一ではなく、この形状が活性炭にはない特徴をもっています。吸着作用は通常、物理的なものと化学的なものの二つに分類されます。物理的なものは分子間の引力によってそのまま表面に吸着される現象で、表面積の多い活性炭がすぐれています。化学的吸着の場合は、人工的に作られた活性炭は孔のサイズが均一なため、その大きさにあった微生物しか着かないのに対し、竹炭の場合は孔の大きさに応じてさまざまな種類の菌が着き、微生物膜を作って、竹炭が吸着した水や空気中のニオイや有害な化学物質などを分解します。(出典:「竹炭・竹酢液のつくり方と使い方」 池嶋庸元/岸本定吉 1999年)
では、どの程度の吸着力があるのでしょうか。アンモニア、ホルムアルデヒド、ベンゼン、トルエンなどの化学物質の吸着に関しては、50%程度の濃度まで低減するとの試験結果があります。また、魚の生臭さの物質の元になるジメチルアミンの脱臭試験では活性炭とほぼどうようの脱臭効果の試験結果もあります。(出典:「竹炭・竹酢液のつくり方と使い方」 池嶋庸元/岸本定吉 1999年)さらに、残留塩素や揮発性有機化合物(VOC)に対しても高い除去率を示した試験結果があります。(出典:鹿児島県林業試験場 http://www.kpftc-pref-kagoshima.jp/seika/kenhou8-2.pdf)野菜の劣化を進めるエチレンガスの吸着も期待できます。