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Bamboo Charcoal House のある、千葉県君津市の清和地区には、江戸時代から伝わる窯があります。
ここで作られた炭の多くが、東京湾を経由して江戸に送られ利用されてきました。
800℃という高温に達する窯を使うことで、できあがった竹炭は、叩くとキーンキーンと金属音を鳴らします。
火入れから5日をかけて出来上がる、本物の竹炭の光沢感は日本刀のような輝きを放ちます。
光の当て方を変えることで、黒い炭が銀色に輝くのです。

千葉県君津市市宿の田園風景

このような素晴らしい遺産があるにも関わらず近年は少子化によって、子どもたちの人数が毎年減少。
また、竹害と呼ばれるほど、どんどん生えてくる竹にも手を焼いています。人口減少が進むことで竹を整備する人もいなくなり、竹林面積は年々増加。獣が生息しやすい環境ですので周辺の田畑が荒らされたり、道路に飛び出して来たりといった獣害が増加してきているのが実情です。
一本の長さが20mにもなる竹を切るのも困難ですが、切った後の竹も活用する方法がなく処分することも容易では有りません。
そこで、私達は江戸時代から続く昔ながらの手法で、竹から竹炭を作り、販売していくことで、竹を間引いて均衡の取れた豊かな自然あふれるまちを作りたいと考えました。
新しい産業をこの地域に作り、もう一度人が集まり活気あるまちへと変えていくのが我々のミッションです。

竹炭製造中の窯内画像

炭のイメージは、木が燃えることでできる燃えカスではないでしょうか。つまり、燃えて二酸化炭素だしているから環境に良くないと。
木は繊維とミネラルからできています。木を普通の状態で燃やすと、空気中の酸素と繊維を構成する元素(炭素、水素、酸素)が結びついて二酸化炭素などになって大気中に逃にげてしまい、後にはミネラル等が残った灰になります。
ところが、木を蒸焼きにするとどうなるでしょうか?
土窯に木を入れ、窯の入り口ふきんだけ種火として燃やします。その後、密閉して焼くと酸素がない状態で焼かれることになります。
あれ?酸素がないのに焼けるのかという疑問が残ります。
最初は窯の入り口ふきんの木を種火として燃やします。その熱で、窯の中の温度が275℃を超えると、木そのものが自ら熱を発し出します。そこで、蓋をして窯に空気を入れない状態にすると、木の温度は350℃と高温状態に達し焼けます。
途中、もくもくと煙がでますが、これは木のガスであり、CO2ではありません。なぜなら、酸素がないので燃えていない状態であり、そのためCO2はでないということです。
こうして作られた炭は、炭素とミネラルの塊になります。
では、バーベキューで炭を燃やすとどうなるでしょう。炭素(C)は酸素(O2)と結びつきCO2となり空気中に排出されてしまいます。炭素を炭に閉じ込めた状態であるならば、空気中のCO2削減に貢献する状態となっています。さらに、その炭を畑に入れることで、炭に含まれるミネラルが、溶け出しその土で作られる野菜やお花などが大きく育ちます。